はじまりはミステイク




言いたかった。


ずっと、藤山が好きだって言いたかった。


藤山の姿を見て、藤山の顔を見て、ずっと言いたかった。




「嘘でしょ?」


藤山が目を丸くして尋ねる。


「う、嘘じゃないよっ」


「なに、嘘だよ。また間違いとか勘弁してよ。二度も同じ相手に……」


「本当だってば!」


信じてよ。


私が好きなのは圭吾くんじゃなくて、あんただよ、藤山。


「嘘だったら、こんなに緊張して吐きそうになったりしない!私……!」


「嘘だろ」


藤山が、抱きしめてきた。


藤山が、私を抱きしめている。


「藤山?」


「本当に嘘じゃないよ?もう間違いじゃない?」


「間違いじゃないよ。今回はマジだよ」


藤山に抱きしめられて嬉しいけど、これはどういう意味なの?


藤山は私の告白……どう思ってるの?




「マジか……超嬉しい」


藤山は、喜んでいた。


え、喜んでる!?