はじまりはミステイク




うう、カッコイイ。


なんで、藤山がカッコ良く見えんの?


好き。


好き……


好きだよ、藤山。





ダメだ。


放課後じゃ待ちきれない。


私の気持ちが、今日1日持たない。


「ふっ、藤山!」


一日中、藤山にする告白のことで悩むことになるなんて、体がいくつあっても足りない。


「ん、どうしたの?」


藤山が振り返って私を見た。私はチャリを押して早歩きで藤山の隣へ立つ。


「さっきの取り消し!放課後じゃなくて今する!今、話があるっ」


今から、伝えてもいいかな?


「ここで?」


「ここで!」


と返したものの、私達のことをチラチラと見ている同じ学校の生徒達の視線を感じる。


「あの子って圭吾の……」


「でも、一緒にいるのは誰なのかな?」


ヒソヒソと話し声が聞こえる。


うう、ここでって言ったけど……この視線の中じゃちょっと厳しいよ。