そんな勇気がない私は、ほんの少しだけ勇気を振り絞って、近くにあった小さな石ころを水道へ目掛けて投げた。


「うわっ、ビックリしたっ」


「怪我してない?大丈夫?」


そんな声が聞こえた。


ふんっ、怪我をするような石ころは投げないもん。ちゃんと当たらないように投げたもん。


だって、これくらいしか出来ないもん。


藤山と女子の距離を少しでも引き離すなんて。


もう一度水道場を覗くと、もう誰もいなかった。


「よし、帰ろう」


今日はもう帰ろう。


さっきの藤山の〝あまり〟って言葉を思い出しながら眠りにつこう。






そしてその日の夜。


お風呂で髪の毛は2回シャンプーをした。


お肌のパックも、お気に入りのものを使った。


クマが出来ないように早い時間に寝た。


全ては明日に備えてだった。


明日の、告白に備えてなんだ。