はじまりはミステイク




「いくらでもどうぞ」


やっぱり、言えない。


「藤山、部活何してんの?」


「剣道部」


あの告白は間違い、だなんて。


「え!?剣道!?藤山剣道出来んの?」


「中学の時からしてたから、それなりには」


「中学から!?」



だって、もっと藤山を知りたいと思うから。



「じゃあ、藤山のきょうだいは?」


「兄貴が1人いる」


「藤山と似てるの?」


「まぁ、容姿はね。でも、兄貴はチャラいよ」


「藤山は硬派ってわけ?」


「まともだと思ってる」


まともって、自分の株を上げようとも下げようともしない藤山に笑みがこぼれる。


「ねぇ、思ったんだけどさ」


「ん?」


「これじゃキリないよね。永遠に質問と答えの繰り返し」


あぁ、それもそうだね。


「ごめん、つい藤山に質問しまくってた。じゃ、また時間がある時に」


「ちょっと、最後まで聞いて」


ん?まだ続きがあるの?キョトンとして藤山を見る。