はじまりはミステイク




「藤山ショック受けるかな?」


「どうかな?付き合ってちょっとだし、好きになるように努力するって言ってるくらいだから、そんなにマジに付き合ってるわけじゃないかもよ?」


そういえば、そうだった。


そうだよね、きっとそんなにマジじゃない。


あれ……私、なんかガッカリしてる?






「んー、これでいいかな」


昼ご飯を食べた後、教室で私はケータイと睨めっこしていた。


【話したいことがあるの。今日の放課後空いてる?】


画面には藤山へ送ろうとしている言葉達。そのまましばらく悩んで送信。


一華ちゃんはトイレに行っているところだ。
と、藤山から返事が来た。


【放課後は部活】


あぁ、藤山は部活してるんだ。それすらも知らなかった。何部何だろう?そこへ、再び藤山からのライン。


【今から中庭集合】






「あ、早かったね」


先に来ていたであろう藤山が私を見る。


「なんで中庭をチョイス?」


藤山が腰を下ろしているベンチの隣へ腰掛ける。