彼は私より年上に見える。 濡れた髪から覗かせる綺麗な顔立ち。 ちょうどよく日焼けしている肌色まで、健康そうだ。 彼は小さく笑って、真下を指さした。 「ここら辺に、家の鍵落としちゃって」 「……見つからないんですか」 「10分近く探してるんだけどね。ここじゃないのかも」 私の怪訝な目線に気付いているのかいないのか、彼は頬をかいて鍵を探していた。 「……何で濡れてるんですか」 「ああ、友達と少し早いプールに行ってきたんだよ」 「なるほど」