怜君は猫がいなくなって落ち着いたらしい。

「さてと、怜も落ち着いたし……誰か早名ちゃんにここの案内とかルールとか説明してくれないか？」

明瑠ちゃんが手を上げた。

「はーい！隊長、私がしまーす！海斗とかにさせたら何するかわからないですし」

「やめてくれ！俺が誤解されるだろ！」

晶君と雫君は料理当番、海斗君は買い出し、洋君は猫と遊びたいと言っているので明瑠ちゃんと玲君のどちらかがすることになった。

「暗算で勝負する？それともオセロ？私どっちでも負けないよ」

「勝つのはこの私です。腕相撲で……」

「絶対喧嘩になるし時間かかるからじゃんけんで決めろ！」

晶君が言ったので、２人はじゃんけんをする。勝ったのは怜君だった。

「天は私に味方している」

怜君は右手を高くあげ、天を見上げる。

「変なことしたらナイフ投げてやる」

明瑠ちゃんがナイフを持って玲君を睨む。海斗君が明瑠ちゃんから距離を置く。

「早名さん、これからよろしくお願いします」

猫を見て暴れていたときからは想像できない、漫画だったらキラキラしてそうな笑顔で言った。

怜君は不思議な感じの子だ。目は右目が黒で、左目が茶色。染めているのか髪色は白と茶と黒だ。髪の長さとかで……長毛の三毛猫みたいに見える。多分言ったら怒られるから言わないでおこう。