1年前は、こんな時間でも頑張れば会える距離だったのに。

電車がパアーンと音をならして、私の横を通り過ぎる。


相変わらずのいつもの道。
夜ご飯を一人で食べ終わって、夜風に当たりたくなって。夜の10時、私は当てもなくただ歩く。

『ごめんね、、寂しい』
 朝そう送ってしまった彼へのメッセージ。

『ごめんな、、今度は俺が忙しくなっちゃった。
連絡も遅れるかも。』
 お昼過ぎて送られてきたメッセージ。

「分かってるよ。」
 私はつぶやく。

この時間のこの道は車の音が遠くから聞こえるだけだから、声がちょっと響いてしまう。

でもどうでもいい。
誰かに聞かれてしまっててもいいの、もうとにかくいろいろ。


そんな風に投げやりになっているせいかな、忙しいって言われると分かって、朝寂しいと送ってしまったのは。


 私が忙しかった約1ヶ月、電話もままならなかった。
LINEも少なくなってしまっていた。

そんなタイミングで、彼は少し仕事が上手くいかなかったらしく、落ち込んでいたようだった。

当然私は彼を元気づけたくて。
頼ってきてくれるなら、支えたいわけで。 
どうにかやりくりし、彼との時間も確保していた。

そんなこんなでやっと私が落ち着いた頃、今度は彼が新しい仕事を任されることになり、これからもっと忙しくなっていくみたいだった。

彼が上手くいくことは嬉しいことなのだけれど…、なんだかすれ違っているみたいで、もやもやしてしまう。

1年前のこの時期は、あなたと笑って、電話して、仕事終わり会ってたのにな……


別にどこかに連れていってほしいとか、そういうんじゃない。
何もいらない、何も言わなくてもいい、
ただ君のそばにいたい、会いたい。

それだけなのに、それもできない虚しさが心にぽつん。

そんな風に彼も考えてくれてるのかなと考えながら、彼は忙しいからそんなことはないだろうと、なんだかまたまたぽつん。