『明日だよ?』

『明日だね!』
 私達は会う前日、そんな言葉を文面で送りあっていた。
仕事が終わって、寝る前の彼とのLINEの時間。

彼は家に帰ってからもお仕事をしているみたいで返事は少し遅い。

それでも今日のLINEはいつもと内容が違う。

具体的で、現実味を帯びた、 一番できたら嬉しいと思っていた話。
文字をうちながら顔のにやけがとまらない。


『直人、何分に着く新幹線でくるんだっけ?』

『えっとね、10時49分のやつ。
別に、お迎えいいよ?倫子の家行けるし。』
 私はそんな彼の返事をみて、頬を膨らませた。

『なんでそんなこと言うんだよー!
駅まで向かいに行くから!』

すねた私を察したのかすぐに既読がつく。

『ごめん、ごめんw
あー仕事終わったー。』

 時計を見ると10時14分。


『お疲れさま。
ごめんね、今日はお先お布団にもう入ってる。
でもドキドキして寝れない……笑』

『気にしないよ。倫子もお疲れさま。
……俺もたぶんドキドキして寝れないw』


「ふふっ」
 彼も同じ気持ちなのが嬉しくて笑ってしまう。


『遅れてもいいから、事故にだけは気を付けてね。
楽しみにしてるよ。』

『ありがとう。俺もだよ。』


彼からのありがとうにほっこりしながら私は目を閉じた。


ピンポーン


「ん?」
 閉じていた目を開け、確認するメッセージ。


『まだ寝ないでw
俺本気目が冴えてて、寝れないw』

「ばか」
 苦笑する私。

結局彼の眠気がくるまで、もう少し彼とやりとりをしたのだった。