救急隊員が向かおうとした病院はお兄ちゃんを返してくれなかった病院だった。 「お願いです。違う病院にしてください。」 私は唯都をなくしたくない一心で家からはだいぶ離れているが、ここから1番近い病院に替えてもらった。 私は救急車の中で一生懸命治療されている唯都の手を握っていた。 唯都が存在していることを確かめる様にひたすら手を握り、つなぎとめていた。 天国のお兄ちゃん。唯都がそちらに行ったらどうか追い返して下さい。