そんなん、私の予定を聞かれたら期待してしまうやん。

バカ。こんなん私やない。

ほら、もっと、なんで聞くん?とか、実験の先生の愚痴を言ったりとか言わないと。

どーした?私。熱いよ。あなたのせいで。

んじゃあ、その腕ほどいたらいいやん。

でも、できない。

だって、今の私、誰かの温もり欲しかったもん。

あと、5分後の電車に乗って家に帰れば現実が待ってる。

テスト勉強とかレポートとか。

「実験終わったら家こいよ。」

耳元で聞こえる彼の声。

「いいの?」

「ナオが疲れてなかったらいいよ。」

どうして?どうして?今日の彼は優しいの?

(まもなく3番線に列車が参ります)

って、私達改札前でこんなことしてたんや。

ふと、背中の熱が逃げていった。

「んじゃ、また明日な」