その途端に、禍々しい雰囲気が、一瞬で消えた。 「私、私、誰かに気がついてもらって、誰かとお話して、それから、、、遼くんに抱きしめて貰いたかったの。それだけだったの。 でも、こんな私は、醜くて嫌だよね。 ごめんなさい… あのね、私、遼くんのこと… 大好き、だったよ。さようなら。」 一粒の涙を残して、彼女は消え去った。 瞬間、家を取囲む空気が澄んだ。 「………沙…奈…?」 そして、俺は何かをなくしたようだった。