また魔獣!? そう思ってメイファンが身構えたとき、藪の中から男が三人飛び出してきて行く手を阻んだ。どうやら人間のようだが、あまりホッとできる状況ではないようだ。それぞれ幅の広い反り返った抜き身の剣を手にしている。
咄嗟に手を引いてワンリーはメイファンを自分の後ろに下がらせた。男たちは下卑た笑みを浮かべてからかうように言う。
「日が暮れてから町の外を出歩いたらダメだろ?」
「俺らのようなろくでもない奴に出くわすからな」
そして笑いながら握った剣の切っ先をワンリーに突きつけた。
「有り金全部置いてけ」
ワンリーはまったく動じることなく、懐から金の入った袋を取り出して男の前に差し出す。
「ほら」
「ものわかりがいいな。命は大事にしなきゃな」
あまりにあっさり金を手にして、男たちは少しうろたえたようにワンリーを見た。そして袋の口を開いて中を確認する。用事はすんだとばかりに、ワンリーはそれを無視してメイファンを促した。
「じゃあ、行こうか」
何食わぬ顔で横をすり抜けようとするワンリーの行く手を剣が遮る。
「待ちな。女も置いてけ」
途端にワンリーの表情が険しくなった。怒りを孕んだ目で男たちを睨む。
「金だけで満足していればよいものを。おまえたちは強欲にもほどがある」
「なんだと、ごらぁ!」
激昂して詰め寄る男たちをものともせずにワンリーはさらに続ける。
「おまえたちの強欲と邪な気は魔獣を呼び寄せるぞ」
それを聞いて男たちは小馬鹿にしたように半笑いになってワンリーをのぞき込んだ。
「なんだ、そりゃ。脅しのつもりか? ぐずってる子どもじゃねぇんだぞ。そんな脅しが通用するか」
「脅しではない事実だ。後ろを見ろ」



