「もしも千年後に私の魂から魔獣の門が消えてしまったら、ワンリー様はどうするんですか?」
「決まっている。必ずおまえを見つけだし、魔獣におびえることなく皆に祝福されて俺の妻となれるようにする」
「門の波動がないのに、どうやって見つけだすんですか?」
「心配ない。俺とおまえの魂は惹かれあう運命(さだめ)にあるのだ」

 真顔で自信満々に即答するワンリーを見つめて、メイファンは一瞬目を見張る。けれど、その根拠のない自信がいかにもワンリーらしくて、思わず吹き出した。
 クスクスと笑い続けるメイファンに、ワンリーは少し不愉快そうに言う。

「なにがおかしい」
「ごめんなさい。ワンリー様があまりにも自信満々に断言なさるから」
「自信があるから当然だ」

 相変わらずひるむことなくワンリーは断言する。根拠はないが、それでもワンリーなら本当にメイファンを見つけだしそうな気がした。

「必ず見つけてくださいね。でも私はまたワンリー様のことを覚えていないと思います。だからいきなり抱きしめるのはやめてください」
「あぁ。肝に銘じておこう。また叩かれたくはないからな」

 そう言ってワンリーはいたずらっぽく笑う。メイファンも笑顔を返して、食事を再開した。
 食事を終えると、ふたりはまた手を繋いで街道を歩き始めた。