きっぱりと断言するメイファンに、ワンリーは真顔で冷ややかに言い放つ。

「妻にならずとも、おまえは俺と共にシェンザイに行かねばならぬ」

 その厳しい表情に幾分萎縮しながらメイファンは尋ねた。

「どうして?」
「おまえの身の内に魔獣の門が開いたからだ」
「魔獣の門……」

 先ほど虎の魔獣が言っていた「門の娘」を思い出す。もしかして、さっき空が暗くなったときの疝痛がそれなのだろうか。

「それってどういうことですか?」
「あまり悠長にしている時間はないが、説明しよう。ご両親にも聞いていただきたい」

 それを聞いて冷静さを取り戻した父がワンリーを促した。

「では、むさくるしいところですが、うちへ」
「そうさせてもらおう」

 ワンリーを伴ってメイファンと両親は自宅へ向かう。ワンリーと一緒にいた白い麒麟の青年ソミンはワンリーの指示で聖獣殿に向かった。

 居間の円卓を囲んで、ワンリーの右にメイファン、左に父が座る。母が四人分の茶を運んできて父とメイファンの間に座ると、ワンリーは話し始めた。