シェンリュは抵抗もせず、火の消えた燭台を床に落として両腕をガーランの首に回す。

「ガーラン様……」
「おまえは私の大切な人形だ。まだ働いてもらわねばならぬ」

 囁きながらガーランはシェンリュの唇に口づけを落とした。
 ゆうべワンリーがメイファンを連れて逃げなかったのは、シェンリュがいたからだろう。そのおかげで、雷聖剣を封じることができた。ある意味シェンリュの功績だ。
 メイファンは情に脆いところがある。そこを突くならシェンリュは有効な手駒となるだろう。

「あ……ガーラン様……」

 裾をたくしあげて、月光に白く浮かんだ太股をなでながら、首筋やはだけた胸元に唇をはわせて、ガーランはクスクスと笑う。熱に浮かされたように虚ろな目で中空を見つめながら、シェンリュは甘い吐息を漏らした。
 しばらくの間、シェンリュの体を弄んで、ガーランは彼女をひざから下ろして立ち上がった。ぼんやりと上気した顔で見上げるシェンリュの頬をなでて笑みを浮かべる。

「褒美の続きはあとで取らせる。今夜半、私の寝所に来い」
「はい。必ず……」
「いい子だ」

 クッとのどの奥で笑って、ガーランはシェンリュの唇にもう一度深く口づけた。