答えを渋るメイファンに、ジャオダンは深々と頭を下げた。
「お願いします。ずいぶんと小ぶりですが、それは間違いなく龍玉です」
「え?」
メイファンは手のひらの玉に視線を落とす。入手困難だと思われた龍玉がこんな身近にあったとは。
呆然として言葉を失うメイファンの横から、ワンリーが割って入った。
「それは本当か? ジャオダン」
「はい。ずいぶんと昔ですが、何度か使用したことがありますので」
「そうか。これが龍玉か」
意外なことにワンリーは珍しそうに玉をしげしげとながめている。不思議に思ってメイファンは尋ねた。
「あの、ワンリー様は見たことないんですか?」
「初めて見る。龍玉は龍の力の源だからな。奪われては困るから、彼らは目に付かないように隠している」
「そんなに珍しいものなんですね」
聖獣王ですら見たことがない稀少な品が自分の手の中にある。メイファンは改めて玉をながめた。
ワンリーは嬉しそうにメイファンの頭をなでてジャオダンに言う。
「少し希望が見えてきたな。人の世にもどこかに龍玉がある可能性があるわけだ。俺はガイアンの各地にふれを出して探すことにしよう。おまえはホァンロンに話を聞いてきてくれ」
「え……」
ワンリーの意外な言葉に、ジャオダンはポカンとして見つめた。目の前に龍玉があるのに、どうして別の物を探す必要があるのだろう。メイファンも唖然としてワンリーを見つめる。