自分の席にバッグを置いて、前のデスクを見て藤沢がいることを確認した。 「藤沢、ありがとう。昨日おにぎりとお茶をくれたでしょう?」 目の前で難しい顔をして携帯に文字を打ち込んでいた藤沢は、そのままの顔でこちらに目線をやった。 「俺じゃない。」 それだけ言うとまた目線を携帯に戻す。 藤沢かと思った、たまにああいう事があってそんな時は必ず藤沢だったから。 それじゃあ誰が置いてくれたのだろうか…… そう思いながら携帯を睨んでいる藤沢をしばらく見つめていると、心の問いかけに返事が返ってきた。