優雅なバタフライ


『陸に変わってくれ』

私は言われた通り陸に携帯を渡す。

「はい」

私もこっそり聞く。

『…許可してやる代わりに1つ。…お前はなんで未来と戦いたいんだ』

「……姉さんより、強くなった自信があるから」

『…陸、…お前は未来に勝てない』

「勝てる!!」

『…そうか。…』

そういって電話を切られた。


「陸…」

「姉さん…。俺、負けないよ」

「…私、陸とは戦えない」

「なんでだよ!!…」

「…」



「…ならこういうのはどう…?」

「…?」

陸は今までにないような黒い笑をして言った

「…晴嵐。…わかるよね?」

「は?!」

晴嵐。麗羅に続く全国2位の族。…汚いことをしたりする族だ。

「…僕ね晴嵐にはいってるんだ」

「なんで?!」

「…麗羅を潰すために」

そういって陸は病室から走り出た。

…追いかけないと…

「ーっ」

「おい!古泉!お前動けねぇだろ!」

「でもっ…行くよ」

「ーっ」

私は陸を追いかけた。善が止めようと追いかけてきたけどとまらない。

「…っ!」

階段から落ちそうになる。…

ーガシッ!!ー

「善?!」

「あぶねぇな!」

「大丈夫!私から上手く着地できた!」

「そういう問題じゃねぇ!お前けがしてんだから」

あ…善のこんな顔初めて見た…

「でも…」

「…俺は、…危ないと思ったら止めるぞ」

「善…うん。ありがと」