優雅なバタフライ


「…助けに来てくれた。…あの日…」

陸がさらわれた日のこと?

「…僕のせいで姉さん、麗羅の総長辞めた」

「うん。でも陸のせいじゃないよ」

「…わかってる。…姉さんが僕のせいって思ってないこと。…でも」

でも…?

「悔しかった…自分の無力さに…。…だから…僕も強くなろうって…隆治兄のとこで修行してた…」

陸…陸はいろいろ思ってたんだね…

「ごめんね。陸…ありがとう」

「ううん…姉さん…助けてくれて…ありがとう…言えなかった…」

「うん」

私が陸を抱きしめる。…






「…僕ね強くなったよ」

「うん。戦ってみる?…なぁーんてね」

「うん!」

「え?!」

「姉さん喧嘩してるとこって見たことない!」

う…そんなキラキラな眼差しで…

「お、お父さんがゆるしてくれたらね」

「うんーじゃあ電話して聞いてみるねっ!…あ、でもここ病院だから外行ってくる!」

「はーい」

ーガラガラー