「陸…おかえり」
「父さん…うん…ただいま…」
陸はお母さんとお父さんに抱かれながら涙をこぼす。
ーガタンッー
「あ…」
「あ、善!」
「…新しい組員の人?」
「…え?…あぁ!違うよ!善は私の…サポーター!」
「へぇー部活かなにかの?」
「え?違うよ?…バ」
「陸!!今日は疲れただろう?ほらほら休みなさい!…部屋はそのままだからね!」
「うん…?」
お父さんなんでそんなに慌ててんの?
「陸は方向音痴だったな!父さんが案内してやるからついてこいっ!」
「うん!」
「…お母さん…お父さんどうしたの?」
「…バタフライのことは陸には言ってないのよ」
「え?」
「…陸はまだ帰ってきたばかりでしょ?…たから…」
…そうか。…疑いたくないけど、スパイってこともある訳だ。…仲間を疑うのは最低なこと。だけどそれが家族を守ることを繋がるなら、用心していないといけない。
「善にも言っとこうか」
「多分善君は気づいてるわね」
「え?!」
「善君洞察力すごいわよ!…情報収集もすごいし!…かっこいいしね!」
「うん。そうだね」
お母さん善のこと、気に入ったんだね。