優雅なバタフライ


あ、れ?遠藤が持ってるの、トモのキーホルダーじゃん…。あれはトモが作った私との色違いだから世界で1つしかない。

「それ…」

「これぇ?」

「うん。それってトモだよね?」

「そうだっけ?」

授業の邪魔にならない程度の声で話す。すると遠藤が窓を急に開けて

「これさ、投げたらどーなる?」

「や、めて」

「俺たちには逆らいません。あの子との縁も切りますって言ったらいいよ?」

…。

「3、2、1っ」

ーしゅっー

「あ…」

あっという間に落下していくキーホルダーを見て私は怒りをこらえることはできなかった。

ーガンッッ!!ー

ーガタガタンー

「いって…」

「ちょ、み…古泉!」

「みく!」

トモの声がした。トモを見ると止めてって顔に書いてあった。

「ご、ごめんなさい!…キーホルダー落としてしまってとろうとしたら前の席の遠藤君に思いっきりぶつかっちゃって…」

早江島、愛田は見ていなかったし、鈴川は寝ているから見ていた人はいない。

「本当か?力也」

「んなわ…」

「遠藤、古泉、静かにしろ」

殺気が伝わる。遠藤はそれを見て、それ以上なにも言えなかった。

あれから烈はキョークを何度も折って、問題を何度も間違えた。多分、私にも怒ったことを責めているんだろう。

そう感じたので私は口パクで

『烈のおかげで助かった。ありがと』

そう言うと烈は嬉しそうな顔をしてまたチョークを折った。