優雅なバタフライ


「『竜雅だから偉いわけじゃない。そんなことで威張れていいよね。』そう言ったらしい」

「なるほどねー」

総理大臣の娘ってことでトモはむかしいろいろ言われてたもんな…。今の学校では隠しているってことだよね。ま、遊さんが理事長なら隠してくれるだろうね。

「なんで烈はトモを助けてくれなかったの?」

「すみません…遊さんが生徒に深く関わるなって…」

「遊さんが…」

確かに、トモをかばったら烈は竜雅の敵になる。つまり遊さんは私が来るまで待たせてたのか…

「トモちゃんがいじめられてる?」

「…うん」

「ほうほう。わしの友達をいじめるとはいい度胸だなぁ」

ーゾワッー

私の友達で唯一、家が光雷だってことを知っている人物。トモとはすごく仲良くて家にもよく来てたからお父さんもトモのこと気に入ってた。

「宗介さん!」
「お父さん!」

「…」

お父さんの怒りが収まらない。

「あらあら宗介さん?だめよ?娘とそのお友達にそんな怖い顔を見せちゃ」

「お母さん…」

「…すまん」

さすがお母さんだ…。