「……は?」

「お前、古泉みくだったよな?気に入った。俺の姫にならねぇ?」

「なるわけ…」

あ、これっていい機会なんじゃ…。でも、今まで敵意識でいて、姫になれっていわれてなるなんて流石にバレるな。

「…ご、ごめんなさい…」

「は??」

「私…今強気なこと言ったけど本当は竜雅が怖いです。恐惶のこともあるし…」

「…なぁんだ。やっぱり期待はずれだね。…」

私は髪を引っ張られた。

「もう逆らうなよ」

…それなに?は、ハサミ…だよね?なにする気?!

ージョキジョキー

「や、やめ…」

「髪は女のいのちなんだろ?ざまぁみろ!今後一切竜雅に逆らうなよ!!」

くっそぉ…遠藤、愛田ぁ…。

「…みくちゃん、大丈夫?ごめんね。けど、竜雅には逆らわない方がいいよ」

「わ、わかりました…ごめんなさい」

「馬鹿だろ…クス」
「…まぬけだわ」

…私は思いっきり教室を飛び出す。

「逃げたよ!ぷっ!」

なんて言う遠藤の声が聞こえた。

逃げる?誰が?私が?

ーガタンっ!!ー