閉店。
「後で少し残って」
とママに言われ、帰る女の子たちを見送った。
愛美はお客様とアフターへ。
「おつかれさま」
「おつかれさまでした」
「紗希ちゃんのお陰で助かったわ!」
「いえいえ、何のお役にも立ちませんでした」
「ううん、会長さんとっても満足してお帰りいただけたわ」
「それならよかったんですけど・・・」
「ねえ、紗希ちゃん、これからも働いてもらえないかしら・・」
「いえ、とんでもないです!」
「会長さんも随分気に入ってたし、他のお客様も
あの子は誰?あの子は誰?って聞いてくるのよ」
「・・・・・」
「もちろん、本業の仕事を一番に考えて、手のあいた日でいいから」
「でも・・・」
「また、考えて電話して!待ってるわ!」
「はい・・・」
「これ、少ないけどお給料」
「ありがとうございます」
「あの~ママお着物はどうしたらよろしいでしょうか?」
「あ~その着物プレゼントするわ!お古で悪いけど」
「いえ、とんでもありません!きちんとしてお返しにあがります」
「いいの!たくさん持ってるし、同じ着物をそう何度も着れないし」
「・・・・・」
「紗希ちゃんの方がよく似合ってるから」
「いいんですか?」
「そのほうが着物も嬉しいんじゃないかしら」
「ありがとうございます」

