本当の遠距離恋愛 1


 開店と同時にお客様が訪れる。

 広い店内はすぐにいっぱいになった。

 奥のソファは空いている。

 バースデイパーティを行うためどこかの会長さんが
  リザーブしているソファである。

 紗希、いや紀和はカウンターのイスに腰掛け店内を見渡す。

 (いったいどこのお金持ちがくるのだろうか)

 カウンターの中のボーイもいそいそと仕事に励んでいる。

 ワインやシャンパン、ブランデーが次々とでる。

 
 聞き耳を立ててるとお客様の話す内容も高レベルだ。

 中には外国人の方もいらっしゃっており、女の子も英語で
  話している。

 (すごい!)

 水商売と聞くとたいがい見下す形になるが、
 ここの女の子をみたら世間一般の人は度肝を抜くだろう。


 プロ意識が違う。

 高いお金を払ってもらうかわりに最高のおもてなしをするのだ。

 お客様も筋がちがう。

 紳士で礼節をわきまえた人たちばかりである。