開店と同時にお客様が訪れる。
広い店内はすぐにいっぱいになった。
奥のソファは空いている。
バースデイパーティを行うためどこかの会長さんが
リザーブしているソファである。
紗希、いや紀和はカウンターのイスに腰掛け店内を見渡す。
(いったいどこのお金持ちがくるのだろうか)
カウンターの中のボーイもいそいそと仕事に励んでいる。
ワインやシャンパン、ブランデーが次々とでる。
聞き耳を立ててるとお客様の話す内容も高レベルだ。
中には外国人の方もいらっしゃっており、女の子も英語で
話している。
(すごい!)
水商売と聞くとたいがい見下す形になるが、
ここの女の子をみたら世間一般の人は度肝を抜くだろう。
プロ意識が違う。
高いお金を払ってもらうかわりに最高のおもてなしをするのだ。
お客様も筋がちがう。
紳士で礼節をわきまえた人たちばかりである。

