ママのマンションは億ションといわれるマンションだった。
家具のセンスも抜群で調度品もすばらしいものばかりだった。
ママは白い着物を出してきてすぐに着付けにとりかかった。
成人式以来の着物だ。
着付けを終え、すぐに美容院へ向かう。
少し古びた美容院だが棚には色々な女の子の名前が書いてある、
スプレーボトルがずらりとならんでいる。
お酒のキープボトルみたいに。
その一つ「月ママ」と書いてあるスプレーを取り出し、
セットが始まった。
みるみる紗希の顔は変わっていく。
メイクも終えると・・・
馬子にも衣装というか・・・
看護師のかけらもない。
どこからどうみても・・・
銀座の女になっていた。
(きれい・・・)
自分でいうのもおかしな話だが・・・本当にきれいだった。
「紗希ちゃん、とってもきれいよ!」
「紗希!凄くきれい!」
ママも愛美も絶賛する。
お店のおばさんも
「うん、とってもきれい!」
という。
紗希は嬉しくなった。
きれいとか言われたことがあまりなく始めてといっても
過言ではない。
外へ出て3人で並んで歩くと、
ママとチーママとホステスという感じだ。
もちろんママはママ
愛美はホステス
紗希は・・・
チーママみたいだ。

