本当の遠距離恋愛 1


 ママのマンションは億ションといわれるマンションだった。

 家具のセンスも抜群で調度品もすばらしいものばかりだった。

 ママは白い着物を出してきてすぐに着付けにとりかかった。


 成人式以来の着物だ。

 着付けを終え、すぐに美容院へ向かう。

 
 少し古びた美容院だが棚には色々な女の子の名前が書いてある、
  スプレーボトルがずらりとならんでいる。

 お酒のキープボトルみたいに。


 その一つ「月ママ」と書いてあるスプレーを取り出し、
  セットが始まった。

 みるみる紗希の顔は変わっていく。

 
 メイクも終えると・・・


 馬子にも衣装というか・・・


 看護師のかけらもない。

 
 どこからどうみても・・・


 銀座の女になっていた。


 (きれい・・・)

 自分でいうのもおかしな話だが・・・本当にきれいだった。


 「紗希ちゃん、とってもきれいよ!」

 「紗希!凄くきれい!」

 ママも愛美も絶賛する。

 お店のおばさんも

 「うん、とってもきれい!」
 
 という。

 紗希は嬉しくなった。

 きれいとか言われたことがあまりなく始めてといっても
  過言ではない。


 外へ出て3人で並んで歩くと、
  ママとチーママとホステスという感じだ。

 もちろんママはママ

 愛美はホステス

 紗希は・・・
 
 チーママみたいだ。