「もしもし、あゆちゃん、今日出てこれない?」
「うん、うん・・そう・・・
ごめんね、じゃあまた月曜日よろしくね」
答えはNOだった。
他の子にもかけたが・・・
すべてNOだ。
紗希はなんだかママが不敏に思えてきた。
「あの~本当に何もできませんけど、
それでもいいとおっしゃるなら私やります・・」
「ほんと!?」
「はい、でも本当に何も出来ませんけど・・」
「ありがとう!紗希ちゃん!」
紗希はズブの素人で通すことに決めた。
「でも・・洋服が・・・」
「だったらママのお着物貸してあげるわ!」
「着物!?」
「今からママのマンションで着付けして、美容院行きましょ!」
「そんな!いいです!」
「いいわ!いきましょ!」
言うが早いか、伝票をもち立ち上がった。

