本当の遠距離恋愛 1


 「もしもし、あゆちゃん、今日出てこれない?」

 「うん、うん・・そう・・・
  ごめんね、じゃあまた月曜日よろしくね」

 答えはNOだった。

 他の子にもかけたが・・・

 すべてNOだ。

 紗希はなんだかママが不敏に思えてきた。

 「あの~本当に何もできませんけど、
  それでもいいとおっしゃるなら私やります・・」

 「ほんと!?」

 「はい、でも本当に何も出来ませんけど・・」

 「ありがとう!紗希ちゃん!」


 紗希はズブの素人で通すことに決めた。


 「でも・・洋服が・・・」

 「だったらママのお着物貸してあげるわ!」

 「着物!?」

 「今からママのマンションで着付けして、美容院行きましょ!」

 「そんな!いいです!」

 「いいわ!いきましょ!」

 言うが早いか、伝票をもち立ち上がった。