と、ママの携帯が鳴りママは席を立ち店の外へ出て行った。
「ねえ、ママきれいでしょ?」
「うん、とっても」
「うん、うん、熱があるんだったら仕方ないわね。
ママからも会長さんにお詫びの電話入れておくから
アヤちゃんも電話しておいてね。
うん、うん、早く治して、またよろしくね」
アヤちゃんという店の女の子からの電話だった。
体調が悪く欠勤したいという。
ママは少し困った様子でテーブルに戻ってきた。
「どうしたの?ママ」
「うん?アヤちゃんから。熱があるからお休みしたいって」
「でも、ママ、今日は会長さんのバースデイパーティでしょ?
アヤちゃんいなかったら・・・」
「うん・・仕方ないわ。熱があるのに無理には頼めないし・・」
紗希は愛美とママの話を聞いて
(どこも大変なんだな)
と思った。
そのアヤちゃんの熱というのは本当なんだろうか?
嘘の可能性も充分にある。
信じたいが・・・
たぶん・・・
嘘であろう。

