本当の遠距離恋愛 1


 と、ママの携帯が鳴りママは席を立ち店の外へ出て行った。


 「ねえ、ママきれいでしょ?」

 「うん、とっても」

 


 

 「うん、うん、熱があるんだったら仕方ないわね。
  ママからも会長さんにお詫びの電話入れておくから
  アヤちゃんも電話しておいてね。
  うん、うん、早く治して、またよろしくね」

 アヤちゃんという店の女の子からの電話だった。
 体調が悪く欠勤したいという。

 
 ママは少し困った様子でテーブルに戻ってきた。

 「どうしたの?ママ」

 「うん?アヤちゃんから。熱があるからお休みしたいって」

 「でも、ママ、今日は会長さんのバースデイパーティでしょ?
   アヤちゃんいなかったら・・・」

 「うん・・仕方ないわ。熱があるのに無理には頼めないし・・」

 
 紗希は愛美とママの話を聞いて

 (どこも大変なんだな)
 と思った。

 そのアヤちゃんの熱というのは本当なんだろうか?

 嘘の可能性も充分にある。

 信じたいが・・・

 たぶん・・・

 
 嘘であろう。