「でもママさんも凄いと思います。
銀座の一流クラブのオーナーママなんてできるもんじゃ
ありません」
「ありがとう。でも苦労も多いのよ」
「ん!もう!ママ!私に任せてよ!
私頑張るから!」
愛美はママにピースをした。
愛美とママは銀座へ買い物にきたという。
いつも他の女の子とドレスがかぶり、それをボーイに注意されたらしい。
それをママに相談したら店を紹介してくれて買い物に
付き合ってくれたという。
「女の子たくさんいるからどうしても似たり寄ったりに
なっちゃうのよね。色もデザインも」
「私ママみたいに着物着たいな!」
「う~ん、愛美ちゃんは顔が派手だから、ドレスの方が
似合うわ」
「え~?そう?」
「紗希ちゃんは着物が似合いそうね」
愛美は顔のパーツパーツが大きく、化粧ばえもする。
いまどきの顔。
紗希は切れ長の目に鼻や口は小さく、よく合コンなんかでは
「昔だったら美人っていわれたね」
とからかわれる。
それで紗希は落ち込んだこともある。
整形も考えた。
しかし、
目の前に座っている美人ママから「着物が似合う」と言われ、
その悩みはあっさりと消えた。
お世辞とはわかっているが・・・
悪い気はしない。

