本当の遠距離恋愛 1


 「でもママさんも凄いと思います。
  銀座の一流クラブのオーナーママなんてできるもんじゃ
  ありません」

 「ありがとう。でも苦労も多いのよ」

 「ん!もう!ママ!私に任せてよ!
  私頑張るから!」

 愛美はママにピースをした。

 
 愛美とママは銀座へ買い物にきたという。

 いつも他の女の子とドレスがかぶり、それをボーイに注意されたらしい。

 それをママに相談したら店を紹介してくれて買い物に
  付き合ってくれたという。

 「女の子たくさんいるからどうしても似たり寄ったりに
  なっちゃうのよね。色もデザインも」

 「私ママみたいに着物着たいな!」
 
 「う~ん、愛美ちゃんは顔が派手だから、ドレスの方が
   似合うわ」

 「え~?そう?」

 「紗希ちゃんは着物が似合いそうね」


 愛美は顔のパーツパーツが大きく、化粧ばえもする。
 いまどきの顔。

 紗希は切れ長の目に鼻や口は小さく、よく合コンなんかでは
 「昔だったら美人っていわれたね」
 とからかわれる。

 それで紗希は落ち込んだこともある。

 整形も考えた。

 しかし、

 目の前に座っている美人ママから「着物が似合う」と言われ、
  その悩みはあっさりと消えた。

 お世辞とはわかっているが・・・

 悪い気はしない。