紗希は今日の愛美の勤務態度に異変を感じていた。

 
 看護師歴5年、すでに後輩もたくさんでき、
  優しく、真面目で、指導者としては全く問題はなく
  看護師長からは「お墨付き」をもらっていた。

 後輩からは慕われる存在だ。


 
 紗希も同じく指導者として後輩に教える立場ではあったが、
  厳しく、少しけむたがられる存在だ。


 
 しかし、昨日までとはうってかわり、今日の愛美は
  失敗だらけ。


 採血を忘れ、師長に叱られ慌てて患者の元へ。


 採血をしようと血管に針を刺すが、入らない。


 「痛い!」


 「ごめんなさい、もう一度しますね・・」

 
 「痛い!」


 何回も同じことを繰り返す。