夜の海は静かで、花火の音と、波の音だけが耳に響く。




そんな空気に、少し緊張した。




どうしようって思った。




けど、自分の発した言葉で、自分の気持ちに気が付いた。




私、翼が好きなんだ……




会話がなくても心地よかったのに、今はそうじゃなくて…




「あの…っ…!」




私が喋ろうとした時、




身体を引き寄せられて、花火がポトッと砂浜に落ち、




辺りが真っ暗になった瞬間、




唇が重なった―……