それから、大地はいつも俺の左打ちの練習に付き合ってくれるようになった。 来んなって言ってもついてきて、客観的にアドバイスをくれる。 大地と練習するようになって1ヶ月経った頃、藤ヶ丘中と練習試合が組まれた。 「藤ヶ丘?」 大地から聞いて、思わず言葉になって口から出た。 ユズカ先輩の学校だ。 「そう、藤ヶ丘。あの先輩の情報仕入れられるかもしんねーぞ?」 大地が満面の笑顔でそう言う。 (お前の憧れかよ) 自分のことのように目が輝く大地に呆れた。