「優人それって、優しさじゃないから、私のこと考えてくれるなら、何も言わないで。手も出さずにそっとしておいて。その、中途半端な優しさが一番傷つくのよ」
「違うって、同情なんかじゃない。亜湖……お願いだから、話を聞いて」
「ねえ優人、私たちあの時点でもう終わってたのよ。一緒に来なくていいって言った時点で。それまでだったのよ。引き留めるまでもない間柄だった。
そんなの、珍しくない。どこででも聞く話だわ。
再会してみて、よくわかった。一度壊れたものは元に戻らない。
だから、あの時のことは忘れて。
あの時あなたに言われたこと、私にとっては、もうどうでもいいことなの」
「亜湖……」
「もう、いい加減にそんな前のこと忘れてよ。余裕がなく見えたのは、受験勉強で疲れてたから。これからちゃんとする。今まで我慢してたことするし、これからよくなるの」
「ん、とりあえず亜湖の考えは、わかった。でも、どうするかは俺が決める」


