言われた通り、経理部の小会議室に向かった。
応接室と違って事務的で殺風景だけど、十人くらい座れる会議用のテーブルと椅子が備わってる。
私が席に着くと、すぐに太田さんが入ってきた。
太田さんは、私の横に座った。
「ごめんね。わざわざ来てもらって」
「いいえ。来てもらうっていうほどの距離じゃないですから」
太田さんは、ぴったりくっついて座ってる。座るところなんていくらでもあるのに。
「それから、亜湖ちゃん。この間はごめん」彼は、頭を下げて謝った。
太田さんは、普段は真面目なんだろう。お酒の席で、羽目を外してしまったと頭を下げた。
「いいえ、そんな大したことありませんでしたから、気にしないでください」
この間って、こんなに謝ってもらうほどのことはなかったし。
「いや、ほんと、ごめん。君に酔って絡んで後で、長井に怒られたし」
「長井が怒ったんですか?」
そんなこと、全然知らなかった。
背の高い長井に、威圧されたら嫌だろうなと思う。


