先週だったら、どんな頼みでもきいてあげたけど。今は無理。私だって、長井に、なんて、話しかけたらいいのかわからない。
気まずい。ほんと気まずいんだから。
「長井との間、取り持って欲しいってやつ?」紗和が代わりに聞いてあげている。
3人は、紗和の周りを囲んでキャーキャー盛り上がっている。
「長井さんと言えば、亜湖先輩」
3人で期待の目で私を見てる。
そんなこと、今、私に頼まないで。
無理、無理と、手でジェスチャーをする。
「亜湖さんなら、長井さんのこと何でも知ってるんですよね」
「そんなわけないでしょ!」
「少しぐらい付き合ってあげなよ。自分は、幸せ一杯なんだから」
「もしかして、長谷川課長と本当にお付き合いしてるんですか?」美香ちゃんが目を丸くして、叫んだ。
「美香ちゃん、声大きいよ」紗和が笑いながら、ダメよとたしなめる。
「だって、尊敬します。長谷川課長の心をつかむなんて、亜湖さんって恋愛のプロみたいですね」
ずいぶん、今日は人のこと持ち上げるな……


