桜の花びらが、足元に落ちてきた。 ふいに視界に入ってきたそれに、彼女はビクッとした。 ヘッドホンが出す爆音の世界に、一つの淡い美しい異物。 あぁ、ここは桜並木だったのか。 上を見上げると、桜の木が並んでいた。 しばらく見入っていたが、経路案内の音と時計に呼び戻され、再び歩き始めた。