その背中、抱きしめて 【下】




体育館を出てすぐ、高遠くんと内村さんがこっちに向かってくるのが見えた。


桜井くんも気付いて気まずそうに立ち止まる。


「桜井くん、行こ」


私は桜井くんに笑いかけた。



気にしちゃいけない。


慣れろ。

慣れろ、柚香。


私にはたくさんの仲間がいる。

心配してくれる友達がいる。

一緒に笑ってくる友達がいる。



それだけで十分でしょ。

それだけで十分だよ。





まっすぐ前を向いて、2人とすれ違う。




私が下を向いて小さくなる必要は




ないんだから。