「ねぇ夢月君。なんで……」
"なんで、突然消えたりしたの?"
「シー。それは秘密」
「………」
聞けなかった。
夢月君が、笑っている筈なのに哀しそうだったから。
それ以上、踏み込んではいけない気がした。
「りんりん疲れてない?」
「……大丈夫だよ」
「少し、休憩しようか」
そう言って夢月君に着いて行った先は屋上だった。
どこまでも広がる青空。
身体をすり抜ける気持ちの良い風。
「屋上っていつも開いてないんじゃ……」
いつも屋上は施錠されていて、誰も入ることが出来ないはず。
「ここの校長、俺と顔見知りでね?一人になりたい時の為に特別に鍵貰ってるんだー」
「そうなんだ」
「さぁお姫様。どうぞ」
「きれー」
夢月君は屋上の真ん中に行くと、ゴロンと寝っ転がった。
「りんりんも寝っ転がってみて。気持ち良いよ」
そう言われ、私も寝っ転がる。


