オレとアイツ


俺は伸びを一つして、屋上を出る。




空き教室まで一人で歩けば、遠巻きに女子達から見られる。




「海月くんだぁ」

「今一人じゃん!チャンスじゃない?」

「えー、話しかけたいなぁ」

「カッコイー」

「でも私は夢月君派かなー」

「わかるわかる!海月君はジャニーズみたいな観賞用っていうかー」

「夢月君は現実に居るリアル王子様だよね!」




本当、好き勝手言ってくれるよね。




だから女子なんて相手にするだけ無駄なんだよ。




面倒くせぇ。



ガラガラ



空き教室に着いて中に入ると、朝日達は帰る支度をしていた。




「おせぇぞ海月」



「どんだけ寝てんだよ」



「お前居ないとつまんねぇだろ」




「海月君おはよう」




「うぃっす」




寝起きだからいちいち相手にすんの面倒くさくてテキトーな返事が出た。




「海月も来たし倉庫行くぞー」




朝日を先頭に学校を出る。




迎えの車に乗って、倉庫に行く。