オレとアイツ


「花鈴、大丈夫か?」



「だ、大丈夫……」




やっぱり昨日の今日じゃダメージが大きいらしい。



そう言えば今日アイツの事見てねぇな。




ホームルームが終わって、溜まり場に行く。




「女子の話題夢月で一杯だったな」



「今まで夢月に抱かれた女共が怒ってたぞ」



「こりゃ夢月のファンクラブも黙ってないな」




溜まり場でも話題の中心に居るのはアイツ。




結局、その日アイツは学校に来なかった。




次の日、学校に行くと



「あの女とどんな関係よ!」

「本命は居ないって言ってたじゃん!」

「私は!?好きって言ってくれたじゃない!」

「「「「どうなの!?夢月君!」」」」



女に囲まれて問い詰められているアイツの姿があった。



うわっちょー怖ぇ。



「麗は俺の大切な人だよ。でも、彼女じゃない。本命が居ないのは本当。俺、仔猫ちゃん達の事好きだよ?一人に絞るなんて可哀想でしょ?ちゃんと皆平等に愛してあげるから怒らないで?可愛い顔が台無しだよ」



「本当に?」



「本当本当。」



「良かったぁ。ねっ?」

「うんうん。そうだよね。夢月君が嘘吐くわけないよね」

「なぁんだ。心配して損したー」




女共はアイツの返答に満足したのか去っていった。




「ふぅ…」



一息ついたアイツ。



そりゃため息吐きたくなるわな。