いつも女に甘いセリフを言っている時とは、また違った甘い顔をしているアイツ。
麗って女をどれだけ大事にしているかが一目で分かる。
花鈴は、涙目で麗って女を睨んでいる。
女怖ぇ。
「夢月君!この女は誰!?」
そんな事を思っていると、香水臭い女二人がアイツに詰め寄った。
「ん?俺の大切な人。」
「彼女って事!?」
「彼女じゃないよ。だけど、すごく大切な人。虐めたりしたら殺すよ?」
いつもと変わらない笑顔でサラッと言い退けたアイツ。
「いこっ」
アイツの笑顔の圧力に負けて走り去った女二人。
花鈴も、アイツの返事にもう泣いている。
それを朝日が必死で宥めている。
麗って女は、平然とアイツに抱き着いている。
「むーちゃん帰ろ?」
「そうだね。朝日、今日は倉庫パスで。また明日ねー」
そう言って、アイツは麗って女と帰っていった。
……手を繋ぎながら。