「むーちゃん!」




「「「「「…………」」」」」



お嬢様は、そう叫んでアイツのところまで走った。




「うわっ、麗!?」




どうやらお嬢様、もとい麗とアイツは知り合いらしい。




麗って女はアイツに抱き着いた。




隣に居た花鈴は、完全に嫉妬した女の顔になっていて……




下校していた生徒も何事かと野次馬になっている。




「麗なんでこんな所に居るの?迎えは?なんで一人で出歩いてるの?ここまでどうやって来たの?いつからここで俺の事待ってたの?家に連絡はしたの?来るなら一言言ってくれればいいのに。危機感なさすぎ。誘拐されたらどうするの。大丈夫だった?他の男に話し掛けられてない?」




マシンガントークを続けるアイツ。




こんな焦っているアイツ、初めて見た。




つか、アイツはイケメンだし、麗って女も美少女だ。




二人が抱き合ってる姿はものすごく絵になる。




「大丈夫だったよ。車ならあっちに停めてある。今日ね、久しぶりに早く学校出れたからむーちゃんと一緒に帰ろうと思ってね!待ってたの!」




「はぁ……可愛いから許すけど、これからは連絡してね?わかった?」





「はぁい」