オレとアイツ


次の日、花鈴はいつも通りに戻っていた。



本当に良かったと思った。




月曜、学校に行くとアイツもいつも通り女子に囲まれていた。




「夢月おっはー」




「おー、はよー」




「おはよ夢月くんっ!」




「おはようりんりん。もう大丈夫?」




「うん!お陰様で」




「良かった」



そう言って、花鈴の頭を撫でるアイツ。




「「「「いやぁぁぁぁぁぁ!」」」」




すると女子共の悲鳴が学校中に響いた。




「あの女夢月様にまで手を出したの!?」

「ふざけんじゃねぇよ!ブス!」

「身の程弁えろ尻軽!」

「さっさと捨てられろ!」



次には花鈴への悪口大会。



俺たちが口を開こうとしたら



「ねぇ」



アイツが先に口を開いた。




「りんりんを悪く言った奴、女も男も関係なく潰すよ?」




笑顔のまま、殺気を纏い壁を殴ったアイツ。




……壁穴空いたんですけど。




「「「「「ひっ」」」」」




「わかった?」




「「「「「は、はいぃ」」」」」




「分かってくれたなら良いんだ。怖がらせてゴメンね?」




いつも通りに一瞬で戻ったアイツ。



本当にコイツ何者だよ。



族にも入ってないただの一般人がこんな殺気出せるかよ……