「これ」



そう言って俺たちにスマホの画面を見せた。



これ……



「花鈴が闇竜に攫われた。」




闇竜は、不正行為ばかりする悪の方では有名な族だ。



レイプ、万引き、殺人未遂、なんでもする邪魔な族。



いつ潰そうかちょうど話し合ってたところだったのだ。




「潰すか」



ちょうど良い機会だ。



潰してしまおう。



「今すぐ面子全員集めろ」




普段おちゃらけている朝日が、久しぶりに総長の顔をした。



どうやら久しぶりにスイッチが入ったらしい。




「俺も行っていー?」




「夢月喧嘩出来んのか?」




「まぁそれなりにはね。俺、りんりんを救う騎士になろうかと思って。」




かっこいいでしょ?と目を輝かせているアイツ。




この状況でいつも通りなアイツにある意味尊敬する。




「いいぞ」




「ありがと朝日」




正直、アイツが花鈴の事をどう思ってるのか分からない。




俺的には両思いになってくれると花鈴の想いが報われるから万々歳なんだけどな。