オレとアイツ


「知ってると思うけど、俺は松山夢月。夢月でいいよ。よろしくねー」




どうやら友達にはなれたらしい。




「ねぇねぇ夢月君。」




「ん?なぁに」



一人の女子が、夢月君に話しかけた。



「夢月君と海月君って、もしかして双子?」



「え、でも苗字違くない?」

「じゃあ他人の空似とか?」

「えー、すごい奇跡じゃない?」




その女子の質問に、夢月君は目を細めた。




「よく気がついたね。確かに血の繋がった双子だよ」




「じゃあなんで苗字が違……」




「シー。これ以上は内緒」




言いかけた女子の唇に、人差し指を当てウィンクをする夢月君。



思わず私までドキッとする。




「は、はいっ」




その仕草に、その女子だけではならず周りに居た女子までも悩殺する。




その日から、学校では


"松山夢月と有川海月は生き別れた双子"


そんな噂が広まった。