「りんりん。りんりんを傷つける邪魔者は俺が全部排除するから。りんりんを傷つけたあの女は俺が消したから。だから…だから、お願いだから笑顔を見せて。俺、りんりんの笑顔が好きなんだ。お願いだから……」


泣きそうな声の夢。


夢がこんなに弱ってる姿、初めて見た。


「夢月くん……私ね、夢月くんの事一瞬嫌いになった。だって私の事好きって言ったのに花鈴さんの事抱いてるんだもん。妬けちゃった。色んな女の子の事は抱くくせに、私だけ抱いてくれないから。」


「それはね、りんりんの事が大切だから。傷つけたくなかったし嫌われたくなかったんだ。」


「ふふっ。そっか。でもね、他の女の子抱く夢月くん見ても、他の女の子と一緒に歩いてる夢月くん見ても、どうしても好きって思っちゃうの。夢月くんがなにしてても、愛おしいなって思っちゃうの。だからね夢月くーーー」


「シー。俺から言わせて?こんなんじゃ男としてのプライドがそれこそズタズタになるから」


「……………」


何かを言いかけた花鈴の口を、人差し指で黙らせた夢。


「全てが終わったら、りんりんに告白する。そう約束したでしょ?」


「(コクリ)」


「俺が、他の女の子を抱く理由は、りんりんの事見てると触りたくて、抱きたくて、無茶苦茶にしちゃいそうになるから。だから、他の女の子で気を紛らわせてた。りんりんに嫌われる覚悟の上で。こんな事言うの最低だけど、女の子抱いてる時にどうしてもりんりんと重ねちゃうんだよね。それくらい、りんりんが大切。」


「む、つきくん……」


「りんりん。好きだよ。世界で一番大好き。だから、俺のモノになって?」


「〜〜〜〜っ。そんなの、決まってるじゃん!私の方が夢月君の事好きだもん!バカ!」



泣いている花鈴を優しく抱き締めた夢。


「たくさん泣かせて、たくさん傷つけてごめんねりんりん」


顔は見えないけど、きっと幸せそうな顔をしているはずの夢。


「許してあげない。でも、離してもあげない」


「りんりんには敵わないなぁ」


和やかで、幸せな空気が二人の間に流れる。