花鈴の無事を確認する為に一度花鈴の病室に行く。
今度は夢も中に入った。
「スースー」
花鈴は寝ている。
「りんりん……ごめんね」
夢は、花鈴の頬を撫でている。
すると、花鈴の目が開いた。
夢は急いで病室を出ようとする。
「む、つきくん…待って……」
「……りんりん?」
咄嗟に花鈴が夢の手を掴んだ。
「あ、んな事言って、ごめんなさい……嫌い、なんかじゃない……」
花鈴が、久しぶりに喋った。
それに驚く俺たち。
今までどんなに喋りかけても口を開いてくれなかったのに…
やっぱ夢の存在が鍵だったわけか。
「俺こそ、りんりんをたくさん傷つけてごめん…」
泣きそうに顔を歪める夢。
俺たちはそっと二人の邪魔をしないように病室を出て行った。
あ、もちろん展開が気になるから扉の向こう側にしっかり聞き耳立ててるけどな。


