「こ、この女が悪いのよ!夢月に近づくから!夢月に色目使うのが悪いのよ!夢月は私のモノよ!私の邪魔する女なんて消すに決まってるじゃない!」
「じゃーさー花鈴。俺の大切なモノに手を出した花鈴の事俺、消していーよねー?許されるっしょー?くすくす」
「け、消すってなんでよ!なんで私が消されなくちゃいけないのよ!夢月?ねぇ夢月。夢月は私の事が好きなんでしょ?そうよね?ねぇ?」
「俺、別に花鈴の事好きじゃないよー?だって花鈴に近づいたのも、婚約申し込んだのも全ては橋本組潰す為だしー。花鈴って、ほーんとバカだよねー。くすくす」
「そ、そんなぁ………」
ヘナヘナと座り込んだクソ女。
「なぁに座ってるわけー?俺、女の子には手を上げたくなかったけど今回ばかりは仕方ないよねー。だって俺の大切な、大切なりんりんを傷つけたんだもーん。俺、りんりんに嫌われたんだけどどーしてくれるわけー?」
「うぐっ……!」
座り込んだクソ女のくびを掴んで立たせた夢。
夢に首を絞められて宙に浮いているクソ女。
苦しそうにもがいている。
「ねぇ、どーしてくれるわけ?俺りんりんに嫌われたら生きていけないんだけど。殺すよ?」
グッとさらに首に力を入れた夢。
「うっ…ぐっ……ヒュー…ヒュー…ゃめ……て……く、るし……」
顔が青白くなってきたクソ女。
花鈴を壊したんだ。
それくらいの報いは当然だ。
本当に死にそうになっているクソ女。
「海月さん」
そんな様子をボケーっと見ていると、クソ女を連れて行く為に呼ばれてスタンバイしていた組員に話しかけられた。
「夢月さん止めて下さい。今ここで殺されると困るんで。」
「あ、はい」
そうか。こういう時の為のストッパーなのか俺。
俺は恐る恐る夢に近づく。


