オレとアイツ


「はいはい。お兄ちゃんは退出しますよーだ」


そう言って(渋々)部屋を出ていった翔さん。


「海ー」


「なんだ?夢」


「また、一緒に暮らせるね」


「あぁ。そうだな。俺すげぇ嬉しい」


「俺もー」


一緒に暮らせるようになったタイミングも、夢の策略だなんて誰が想像しただろうか。


これを知るのは、当分先の話ーーーーー



「海の仕事は翔から聞いたでしょ?」


「あぁ。夢のストッパーだって」


「そうそう。まぁ俺そんなにキレる事ないんだけどね?とりあえず海の初仕事はもうちょい先かなー。それまで組員と一緒に毎日鍛えてー。」


「わかった!」


稽古つけてもらえるなんてすげぇ嬉しい。


「んじゃ部屋戻っていーよー」


「あぁ!」


俺は与えられた自分の部屋に入る。


そこは青と白で纏められた落ち着いた部屋だった。


きっと、この部屋を作ったのは夢だ。


なんとなく分かる。


俺の、好きな色だから。


思わず一人ニヤける。


その日は組員全員と一緒に夕飯を食べて、組長の奥さんと麗さんに挨拶して風呂入って一日が終わった。